新米ワーママパパのQOL向上!

元SEである著者が、育児とQOL向上を目指すブログ。0歳・3歳児との日常。2022/4/26開始。

インフラエンジニアのキャリアプランは10年後まで考えておこう

著者は元SEです。
国内の大手SIerで10年ほど働き、転職しました。

先日、その会社の同期と飲む機会がありまして(なんと同期のうち半分が退職済!)
在職中の同期も、キャリアプランについて思い悩んでるようでした。

・いつまでこのような働き方をすればいいのか
・どのようなポジションを目指せばいいのか

このあたりはSEの命題ですね。
私も在職中に答えが出なかったので転職することとしたわけですが。

GWを挟んで5月病になり、思い悩む若手SEも多いと思いますので、今回は(SIer界隈の)SEのキャリアプランについて語りたいと思います。

↓は辛口コメントで評判の木村岳史氏。
日経の記事が有料化されるまでは毎週購読していました。
この記事のおかげで転職した・・というほどではないですが、SIerの課題を的確に捉えています。

端的に言えば、SIerは人月商売をやめるべし、SES社員は(できれば顧客の業務部門に)転職すべし。





インフラエンジニアのキャリアプラン

SEは人月単価の世界です。
(いい加減脱却してほしいというのが皆の願いですが、なんで変わらないんでしょうね?)

ともかく、給料をあげようと思ったら単価をあげるしかなく、単価とは付加価値です。

つまり、技術力がある、リーダー経験がある、プロジェクトのマネジメントができる、顧客折衝が得意、特定のソリューションに詳しい、などの付加価値を高めていく必要があります。

IT業界がいつも若手を募集してる原因がこれ。
プロジェクトの採算がキツい=単価の低い人材が欲しい=若手が欲しい、という三段論法が常時発生しています。

個人的な見解としては「せっかくITに詳しくなれるんだし副業でもしたら?」

と思いますが、SES(システムエンジニアリングサービス)ほど生き残りに直結するものではないにしろ、SIerの直営社員とてそのカルマからは逃れられないので、付加価値をつけるキャリアプランを考えなければなりません。

どうせ社内面談で問われ続ける話なので、主体的な考えの一つは持ち合わせておきたいところです。




インフラエンジニアもキャリアプランは必要だ

新卒の採用面接や、中途採用の面接、内部の目標設定などあらゆる場面で質問されるのが、3年後・5年後のキャリアプラン

現実的かはともかくとして「こいつ何も考えてないのか?」と思われない程度には、練っておく必要があります。
たいていは社内・社外の有名人を挙げて、この人を目指してます!と言うのが無難。

実際にはどの案件に突っ込むか?以上のことは考慮されないですが、たとえばCOBOL案件とAWS案件があったとして、もともとクラウド指向の若手がいれば、そっちを採用しますよね。

そんな感じで、将来性の見込める方をアピールしておくべきと思います。




インフラエンジニアの10年後のキャリアプラン

私のいた事業部では主にIT基盤を扱っていました。
サーバ、ネットワーク、データベースといった、基幹系システムのITインフラです。

今やクラウドサービスに取って代わられようとしていますが、基幹系システムは2023年でも8割がオンプレ継続との予測もあるので、まだまだ現役です。
www.itmedia.co.jp

逆に言えば、基幹系システム以外はクラウドに取って代わられてきているので、顧客の業務部門に転職すべしという話になるのですが。

さて、インフラエンジニアは未経験・技術なしでは仕事にならないので、最低限各OSや、ネットワーク、DB、仮想化といった要素技術は身に付けている前提で、キャリアプランを幾つか挙げてみます。


技術系

若手のうちは、技術系の尖った人材が求められる傾向がありますね。
40代に入るとマネジメント系の道に進むことが求められますが、とはいえ何らかの技術に秀でていないと「技術の分からないプロマネ」が誕生することになるので、身につけておいて損はないです。

特定技術のプロ

いわゆるサーバ屋、ネットワーク屋、データベース屋などです。

この中でオススメは(食いっぱぐれないという意味で)ネットワーク屋でしょうか。
なにせオンプレが廃れようが、オフィスークラウドーDCとの接続など仕事に事欠きません。

ただし、プロジェクトに参加すると、他のサーバ等に比べて一番早く納期が訪れるので、現場に缶詰めになりやすいというデメリットがあります。

特定製品のプロ

DB製品のチューニングが得意であったり、トラブルシューティングが得意など、困ったときにヘルプで呼ばれやすいです。
製品ベンダとの関係を保ち、特価を引き出す役目もあります。

ニッチな製品担当になると、重宝される反面、活躍の場が限られるので危機感が募ります。
好きで詳しくなるパターンと、プロジェクトで不具合対応に追われるうちに詳しくなるパターンがありますね。
もちろん私は後者でした。

自社ソリューションのプロ

クラウドサービスやIoT、DX、ITOといった、自社のソリューションを組み合わせたプロジェクトの経験を積むパターン。

自社の方向性とマッチしているので、社内の調整がつけやすいメリットがあります。

クラウドネイティブSE

いまやAWSを使えることが普通なので、この表現も微妙ですが、特に新規の案件は、従来のオンプレとクラウドを両方使いこなせるSEが求められます。

近年は既存のオンプレ領域が減っていき、プログラマブルなITインフラが増えているので、そのうち純粋なインフラエンジニアはクラウド事業者の中にしか存在しなくなるかもですね。

ブリッジSE

最近は下火になってきた感がありますが、以前は海外に業務を委託することが多々ありました。
語学力・海外の商習慣を身に付けて、その橋渡しをするポジションです。
海外赴任担当に選ばれやすいので、私はやりたくないです。

オールラウンダー

すべての技術領域を高レベルで兼ね備えたSE。
技術統括・アーキテクトなどと呼ばれます。
広く浅くという言葉もありますが、広く深くがモットー!
技術一本で食っていくという固い決意のもと、端から見てて燃え尽きないか心配になるほど働いてる人ばかりです。




マネジメント系

年齢があがるにつれて、技術だけで生きることができなくなります。

・組織のリーダーとしての働きを期待される
・若手に成長機会を与えたい
・プロジェクトに参加するには単価が高すぎる

などの理由です。
どのポジションを目指すのか、このあたりが我々SEが悩み始めるターニングポイントなんですよね。

プロジェクトマネージャー

言わずとしれたSIerの花形である現場指揮官。
プロマネの社内外の調整力によって、メンバーは天国か地獄か分かれます。
SIer的には一番人手不足なので、なりたいと言えば誰でもウェルカム。
実務だけでなく、年々複雑化する社内ルールの対応に追われます。

アカウントマネージャー

重要顧客の最前線で活躍するマネージャー。
主に(顧客の)社内政治を扱って案件を獲得する任務に従事します。
ベンダーロックインを避けるという名目で、適度にエサ案件を貰いますが、こういうのが某メガバンの悲劇の原因かもしれません。

顧客と会社の間で板挟みになりやすいですが、人によっては顧客になりきって無理難題を言い放つようになります。

社内マネジメント

品質管理などの間接部門で活躍します。
別名:マネジメントレビューなどでプロマネを突っつく係。
何の御利益もないと言われるなど、実行部隊からの評判は悪いです。
SESとの渉外や社内システムの管理もします。(顧客に見せられないほど操作性がひどい!)

自社ソリューションマネージャー

自社ソリューションを立ち上げたり、提案部隊を統括します。
(リスクを嫌うので)ゼロから立ち上げることはなく、実績のある案件に名前を付けて横展開するのが基本。
初期投資額や社内政治により予算目標(ノルマ)が決まり、その数字と戦うのが主な仕事です。




インフラエンジニアのキャリアの例

だんだんと偏見に満ちてきたので、解説はこのあたりで切り上げて、自分のケースを紹介します。


新人~3年目

売上10億以上の大規模プロジェクトにおいて、主に仮想化基盤や、セキュリティ製品の担当者としてアサインされることが多かったです。

某セキュリティ製品のトラブルシューティングに追われるうちに、かなり詳しくなりました。

4年目~6年目

相変わらず大規模プロジェクトの参画が続きますが、概ねメンバーが固定化してきます。

慣れもありますが、大規模な案件はどの技術チームでもないタスクが発生しがちなので、何でも積極的に拾うメンバーが重宝されやすいのも一因です。

このあたりからフルでアサインされるのではなく、リーダー業務を兼任したり、残った工数で提案営業に入り始めます。

7年目~

(大規模プロジェクト繋がりで)自社ソリューションの開発にも参加したので、その流れでソリューション提案部隊として、顧客訪問を行うようになりました。

という感じで進んでいき、途中でドロップアウトしましたが、このままいくと、自社ソリューションマネージャーを目指すようなキャリアだったと思います。

ドロップアウトの理由はワークライフバランスの確保ですね。詳しくは以下記事で書いてます😅
nagoya21.hatenablog.com




おわりに

若手のうちは何でも経験してみることで、気がついたらキャリアが出来上がってることが多いです。

実のところ、私も積極的にアピールしていたわけではなく、目の前の仕事に取り組み続けた結果、それなりの実績と社内評判を獲得して、キャリアに変化していったわけです。

なので、最初からこれと決めつけるのではなく、まずは与えられた機会に乗っかって、求められる役割を果たす(よく言われるように一段上の目線で)ことが重要ではないでしょうか。

とはいえ、人月商売からは何のイノベーションも生まれないので、どこかで立ち止まって、別の道を考えてみることを強く強くオススメします。



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